11・27星野全国集会経過報告

−2012年2月 徳島刑務所包囲闘争に決起し星野文昭さんを取り戻そう
                             
〔1〕星野文昭さん解放へ総決起しよう
 世界大恐慌の下で勃発した3・11大震災と福島原発事故という情勢の中、私たちはこれと真正面から向き合い、反原発・反失業、星野文昭さん解放の闘いを全力で繰り広げてきました。全世界で労働者民衆の怒りが爆発しています。これと一体で、この中心で、11・6労働者集会は、労働者階級の力強い隊列を登場させました。
 いよいよ、星野文昭さん奪還情勢の到来です。
 全国労働組合交流センターは、来年の2月4日、5日、第19回定期総会を徳島市で開くことを決定しました。2月5日には、徳島刑務所包囲闘争を行います。
 労働組合のナショナル・センターが、組織を挙げて星野闘争に取り組みます。2009年の全国総会で決定した「労働者階級の力で星野さんを取り戻そう」の大方針の実現です。
 本日の集会には、全国24番目の「愛媛・星野文昭さんを取り戻す会」の仲間が参加しています。愛媛の会は、直前に行われたでっち上げ逮捕を打ち破って、11月16日に堂々と結成されました。
 アメリカから、「US Hoshino Defense Committee」が、本日の集会と連帯して28日正午、サンフランシスコの日本領事館に「フリー・ホシノ」の抗議行動を行うという連絡が入りました。
 スティーブ・ゼルツァーさんが、今年の11月27日、28日と、来年の2月4日、5日を国際的なフリー・ホシノ・デーとするよう呼びかけています。
 韓国の民主労総ソウル本部から、「ハングル版の星野署名用紙を送って欲しい」という連絡がありました。13日の労働者大会に向けて送り、多数の署名が集められています。
 来年2月、徳島闘争に総決起し、星野文昭さん即時釈放に向かって全力で闘おう。

〔2〕星野闘争の飛躍をかちとろう
 本日の集会は、これらの上に、星野闘争の歴史的な飛躍をかちとる出発点です。
 第1は、国家権力との正面対決をさらに押し進め、必ず星野文昭さん解放を実現することです。
  資本主義は、最末期の段階を迎えました。その中で、青年労働者を先頭に世界の労働者階級が、「生きさせろ」、「われわれが99%だ」と叫んで、闘いを開始しています。労働者民衆の勝利までやむことのない、階級間の闘いが始まったのです。
 星野さんの37年間、不屈・非転向の闘いは、労働者民衆の正義と勝利を体現し、危機に立つ国家権力を追い詰めています。再審闘争においても、獄中闘争においても、かつてない死闘戦に入っています。星野さんと再審弁護団との団結を打ち固め、37年間もの投獄を強制する国家権力への怒りを爆発させて、不屈に、力強く闘いぬこう。
 「あと2、3年で出るつもりで闘っている」という星野さんの決意に応え、再審無罪・即時釈放へ総決起しよう。
 第2は、労働組合の本格的な決起です。
 本日の集会は、全国労組交流センター、動労千葉を始め、20を超える労働組合の賛同を得て開かれています。また、全学連、百万人署名運動、部落解放同盟全国連・西郡支部、杉並支部、婦人民主クラブ全国協議会等から、多数の団体賛同をいただいています。
 このこと自身が、大きな前進であり、飛躍です。この上に、星野文昭さんを本当に取り戻すことができる巨大な陣形つくり出して行こう。
 本集会に向けて、全国24の会がそれぞれの地域にある労働組合に入って、集会賛同をお願いする活動を行いました。そして、労働者階級は必ず呼びかけに応じてくれるということを実感しました。 
 労働組合・労働者の決起をつくり出し、それを中軸として、学生、市民、農民、漁民、宗教者等あらゆる民衆が集まる広範な戦線をつくりあげよう。
 第3は、国際連帯の発展です。
  7月にサンフランシスコを訪問し、スティーブ・ゼルツァーさん夫妻が主催する「レイバー・フェスタ」の企画として、星野文昭絵画展と「フリー・ホシノ・ムミア集会」を行いました。ここで得た教訓は、星野文昭さんの闘いと星野闘争がストレートにアメリカの労働者に伝わるということです。私たちは、労働者は一つ、労働者階級の闘いは一つだという強い確信を持ちました。
 11・6労働者集会では、ILWUローカル21委員長のダン・コフマンさんが、発言の締めくくりとして「フリー・ホシノ」と訴えました。
 民主労総ソウル本部と、11・5労働者国際連帯集会、11・6労働者集会を通して連帯し、11・13労働者大会に星野闘争の仲間が参加して、共に闘いました。
 11日8日、スティーブ・ゼルツァーさん夫妻が徳島に行き、星野文昭さんとの面会を求めました。刑務所は不当にもこれを拒否しました。ゼルツァーさんは、「これを国際的な大問題にする」と宣言して、ただちに闘いを開始しています。

〔3〕3・11情勢下の闘いの前進
 3月11日、世界大恐慌下で、東日本大震災と原発事故が発生しました。
 資本主義の最後の延命策である新自由主義は完全に破産し、労働者階級や、農民、漁民、学生、市民を、生きさせることも、食べさせることもできなくなりました。
 ギリシャ危機は、イタリア・スペインに拡大し、ユーロ解体・EU解体が現実のものになっています。エジプトのタハリール広場には再び人民が結集して闘っています。アメリカの没落は加速し、中国に対する対峙・対決の政策を強めています。
 野田政権は、原発再稼働、「復興特区」、消費税大増税、TPP推進、辺野古新基地建設、PKO派兵など、全面的な攻撃をかけています。
 原発事故の収束の見通しなど一切たっていません。8ヶ月以上過ぎた現在も放射性物質をまき散らし、簡単には避難もできない労働者民衆の生命と生活を破壊し続けています。
 このような現実に対して、「生きさせろ」の闘いが全国に噴出し、反原発の怒りと反失業、非正規職撤廃の怒りが一つになって燃え広がっています。
 6・19フクシマ現地、9・19明治公園6万人、11・6労働者集会6000人の闘いは、その先頭に立つものです。私たちも全力で参加し、共に闘いました。
 11・6労働者集会は、新自由主義と徹底的に闘い、全世界を変革するための歴史的闘いとして実現されました。その中軸に、動労千葉と国鉄大運動がしっかり位置しています。
 11・6労働者集会の成功によって、外注化反対、非正規職撤廃、偽装請負弾劾が、全世界の労働者の課題として実践的に押し上げられました。
 そして、フクシマ、被災地の怒りと固く結びつき、全原発の即時停止・廃炉を要求して闘い抜かれました。さらに、動と反動が激突する1930年代型の闘いに勝ち抜く道が、労働組合があらゆる反動と闘っていくことにあることを示しました。
 それらすべての闘いが、原発再稼働阻止−即時廃炉、外注化・非正規職撤廃、TPP阻止、野田政権打倒へと燃え上がっています。

〔4〕星野文昭さんの闘い
 星野文昭さんは、1971年11月14、沖縄返還協定の批准阻止に立ちあがりました。
 佐藤内閣が推進する沖縄返還政策は、沖縄の労働者民衆の願いを逆手にとり、米軍基地の存在を永続化するばかりか、日本自身のアジアへの軍事的侵略に道を開く攻撃でした。
 11月10日、沖縄の人びとは返還協定に反対する全島ゼネストに決起しました。直接参加者は15万人、何らかの形でかかわった人は70万人に達します。11月、政府は、都内における集会・デモを禁止しました。沖縄の決起に応える闘いが起きることを死ぬほど恐れたのです。この弾圧を突き破らない限り、反対の声一つあげられない状況でした。
 星野さんを先頭とする労働者・学生は、戒厳令にも等しい弾圧体制を突き破り、渋谷の地で深夜まで闘いました。大阪の教育労働者・永田典子さんが、機動隊の襲撃を受けて虐殺されました。本日は、40年前、永田典子さんが無念にも息を引き取った日です。
 星野さんは機動隊員殺害の「実行犯」とされ、無期懲役の判決を下されました。物的証拠は、何一つありません。警察と検察が密室でつくり上げた、デモ参加学生たちの「供述調書」だけが証拠とされました。
 東京高裁が、懲役20年の一審判決を破棄して無期懲役を言い渡したのは、1983年です。法廷での審理を無理矢理打ち切って出された高裁判決は、星野さんへの階級的な憎しみをむき出しにしています。最高裁の上告棄却が1987年です。
 星野無期攻撃は、国鉄労働運動の解体−労働者階級の団結破壊の攻撃と一体であり、反原発、部落解放運動など、あらゆる闘いを壊滅させようとする攻撃と一体のものです。
 レーガン・サッチャー・中曽根による新自由主義の命運をかけた攻撃が、国鉄の分割・民営化でした。総評の中軸をなす国鉄労働運動を解体すること無しに、新自由主義を貫くことはできなかったのです。
 動労千葉は、2派のストライキをもって分割・民営化と真っ向から闘い、今なお外注化を阻止し続けています。動労水戸は、被曝労働を強いるJR資本にストライキで闘い、若い仲間の結集をかちとりました。
 星野さんは、獄中37年、不屈・非転向で闘い、国家権力の攻撃を最も根底的なところで打ち破っています。星野さんを屈服させて、労働者階級の団結を解体しようとした権力の狙いは完全に破産しているのです。
  星野文昭さんと一心同体で、暁子さんや家族が闘っています。
 これまでに総計94人が、星野さんと面会しました。全国24の星野救援会と、いまや海外の仲間が星野さんと共に闘っています。
 星野闘争をめぐる攻防は、かつてなく激化しています。
 徳島刑務所は、4月には、まったく不当な言い掛かりをもって星野さんを4類に降格しました。10月には、「顔を洗った後、洗面器を所定の位置に置かなかった」とか、「新聞を読みながら塗り薬を塗った」とかいうごく日常的な動作を口実にして、3類への復帰を拒否しました。こんな攻撃を、全国の怒りで弾劾しよう。
 友人面会の拒否も続いています。10月には新潟の五来静枝さん、11月にはスティーブ・ゼルツァーさん夫妻が面会を拒否されました。
 さらに、「便箋1枚の字数制限を越えている」として、手紙の書き直しを強制される事態まで起きています。

〔5〕第2次再審闘争に勝利しよう
 第2次再審闘争で、星野さんを無期の獄に閉じ込めている確定判決を打ち破ろう。
 再審弁護団は圧倒的に強化され、人数も倍増しました。1月31日には「補充書(2)」を、7月19日には「補充書(3)」を提出し、再審開始に向かって闘っています。
 裁判所と警視庁は、重要な証拠であるビデオ・テープ2巻を「紛失」したと称しています。4月4日、ビデオ・テープ「紛失」に対して、国家賠償請求訴訟を起こしました。
 さらに11月14日には、7人の友人と暁子さんの面会拒否、暁子さんの手紙の墨塗りに対する国家賠償請求訴訟を起こしました。
 検察官は、3月24日、再審請求を「速やかに棄却」するよう求める「意見書」を提出しました。多数の証拠を隠し持ちながら、こんな「意見書」を出す検察官を許せません。
 裁判所と検察官を追い詰め、証拠の全面開示、再審開始へ突き進もう。

〔6〕2月徳島刑務所包囲闘争へ
 来年2月、全国労組交流センターと共に徳島刑務所包囲闘争に決起し、「星野文昭さんを今すぐ返せ」と声をあげよう。徳島刑務所の壁を私たちの怒りと熱気で突き破ろう。
 全国に星野救援会を広げよう。労働組合を始め、救援運動、市民運動等、あらゆる所に10万人署名を訴えて闘おう。私たちを突き動かすのは、「星野さんは無実だ」という確信であり、無実の星野さんが37年間も投獄されていることに対する怒りです。これこそが、星野闘争勝利の根源的な力です。

 2012年、星野闘争を大きく発展させ、星野文昭さんを私たちの手に取り戻そう。